うさぎ宅配便

月を見てた。いつもこうやって屋根の上で充電するの。
何をって、耳をね。
我々の耳はきこえなくなって、そして誰より聞こえるようになった。
なんだって聞こえるウサ耳補聴器、これって誰がくれたんだっけ?
って、わーわー。
「「雨!!」」「凄い!」「何これ!」「「撤退!!」」


「虫昼嫌い」「我慢できないの」「「う る さ い」」
ウサギ宅配便のウサ耳補聴器は高性能。「スイッチ切れば?」と提案したら
「「沈黙の世界じゃ淋しくて死んじゃう」」
面倒な。
「あ、耳に虫」
「「どこ!」」
ウサ耳補聴器を投げる二人。外したら沈黙の世界なんじゃ。

ウサギ宅配便は街をかける。
街はとても静かだ。
「なんで」「どうして」「「人が少ないの!!」」
疾走する二人。
ウサ耳が揺れる。ピンポーン
「「お届け物です」」
ひねくれ者の二人だけれど、お客様の喜ぶ顔は大好きだった。

【このお話はツイッター内での企画『空想の街』で書いたものです】