カメラカメラカメラ

カメラが魂を抜くというのは本当で、カメラに写るということはカメラに少しだけ移ることだとわかった。
親たちは今まで写した我が子の魂を取り戻すべく必死 だが、術はない。
だから写真を撮る。たくさん撮る。
未来、カメラから取り出された我が子の魂が一人で迷わぬよう、自らをうつす。

カメラから取り出された魂は再構成され人生になる。
たくさん写されたあの子の身体には欠損がないし動画まであるあの子は動きまでスムーズだ。
僕はというと 背中しかない。
けれど一度も僕を抱きしめなかったママがたった一度でも僕を撮っていてくれていた。
その事実で満たされている。

どんな場面も完璧に揃っている私。
両親が私を愛しどんな時も撮影優先で人生を撮りためてくれたからこそのまるで二回目の人生。
眠ってばかりのあの子が可哀想。
寝ているところばかり写されて、起きている間はどうしていたのかしら。
きっと愛されていないはずのその子は穏やかに眠る。

カメラにうつされた魂を解放されないよう守っている。
ママがうつし続けた私の人生。カメラから魂を解放したならきっとたくさんの人生が戻ってくる。
だけど いらない。
ママの目を抉るなんて。ママの目がカメラだった。
ゼンマイ仕掛けの子供は錆付いた母親を守る。
魂があると信じて。