ラーメン

ラーメンが運ばれてきた後で焦がしニンニクをかけてくれるのがこの店のスタイル。ここのラーメンはこれなしには語れない。
帰省して最初に食べたくなったの がここの味だった。
焦がしニンニクをかけにきた三角巾の老婆に大盛りでとお願いすると、老女は何も言わずにざかっと入れた。ラーメンをずるっとすすると懐かしさがこみ上げる。
「あらお客さんすみません。まだニンニクかけてなかったでしょ?」
若奥さんが僕に声をかけた。
「いただ きました」
ラーメンの中身を指さすと、
「あら、それはうっかりしました」
と少し不思議そうな顔。
「先ほどお婆ちゃんに……」
見当たらない。
「あのう」
奥さんがおずおずと尋ねる。
「それは三角巾のお婆ちゃん?」
「そうです」
すると奥さんは驚いて、そして少し涙ぐんで笑う。
「そうですかそうですか」

そのラーメン屋、先代の老女のトレードマークは三角巾でつい最近亡くなったのだと後で聞いた。
ご馳走様。