最果て食堂

最果ての食堂で少女はほかほかご飯を作る。
毎日羊角の紳士がやってきて食事をし帰る日々がもう何年も続いていた。
そろそろ私を食べないかしら。
おいしそうに食事する彼を少女は愛していた。
この地に贄として捨てられた自分と今日のスープの具の違いが解らぬまま食べられる日を夢見る。

最果ての食堂で少女はほかほかご飯を作る。
陽が落ちた頃から客足がのび、夜が更けるにつれお客の姿はどんどんヒトから遠ざかる。
けれど今宵の最後のお客は綺麗なヒトの形。
脅える瞳に覚えがあった。
これは贄。
贄なら仕事はたったの一つ。
貴方はどうやってあの方々の空腹を満たしたい?

生贄にされた理由なんか解らないけれど、どうしていたってお腹は空くもの。
どうにかご飯を作りあげた頃、あの悪魔はやってきた。
長く鋭いその爪におしまいを感じているとズルズル。
彼は食べた。私の作ったほかほかスープを。
それがはじまり。
最果ての食堂で私はほかほかご飯を作る。