白い鳥黒い鳥

飛び立った白い鳥は一日を潜り抜け巣に帰る。
体は黒。黒い言葉に染まった体を休めて眠れば、言葉はその巣に吸収される。
コックは困っていた。
姫君ご所望の スープには黄金の巣が必要なのに、最近黒い巣ばかりじゃないか。
塞ぎがちな姫君を笑顔にしたい。
その一心でコックは旅に出る。

姫君は困っていた。
お抱えコックが食材探して旅に出たまま帰らない。
求めたのは私。けれど。
何を食べても美味しくないの。お皿の料理が美しいほど深く感じる罪悪感。
お前のせいよ、飛び出しそうな黒い言葉を飲みこんだ。
美味しい食事のためなんだから。小さな声で黄金の言葉を紡ぐ。