花売りの娘

花売り娘は街で毎日花を売る。
街には優しい青年がいて毎日一輪、その日一番の花を買ってくれる。
昨日は薔薇、今日は何かな。もっと素敵な花を育てて彼の喜ぶ顔が見たい。
昨日はあの子、今日は誰かな。
君の方が綺麗だと捧げるための花が日増しに美しくなっている事、彼は気づかない。

花売り娘は街で毎日花を売る。
街には優しい青年がいて毎日一輪、その日一番の花を買ってくれる。
今日は鈴蘭の花があるの。彼の喜ぶ顔が見たい。
君の方が綺麗だ。彼のまっすぐな言葉と眼差し。とられた手が震える。
こんな綺麗な花ははじめてだよ。きっと、悪い人だとわかっていても。

花売り娘は街で毎日花を売る。
けれどこんな嵐の日には街へ降りてく術もない。
彼にも会えない。明日が見えないこんな時には彼と話がしたいのに。
彼が沢山いればいい。そしたらどんなに不実な彼でも一人ぐらいは。
調度いい穴に新しい苗を植えた。鼻歌歌って、まだ咲かぬ彼に水をやる。