青い星

「あの星に行きたい」
王子様は宇宙を指さした。
「昔々、僕らあの星から来たんだ」
望遠鏡で観測する。青い、青い星。
「あそこには土があって植物が生えてたって。工場でもないのに、食べ物や飲み物を生み出せたって。そうまるで、魔法みたいに」
王子様の星には、かつて青い星に住んだ人々が「自然」と呼んだ物は何一つない。
駱駝は機械仕掛け、砂漠はかつての都市の亡骸の成れの果てだ。
星より輝く瞳を望遠鏡から離すと、王子様は駱駝に乗って砂漠を渡る。
揺れる背の上で小さな瓶を取り出すと、乾いたのどを潤した。
「あの星のお茶は、魔法のお茶は一体どんなだっただろう」
いつかあの、魔法に満ちた青い星へ。